パティシエ 残業 時間ってどれくらいなんだろう??
本記事の内容
- パティシエの残業時間
- 現場で感じた残業
- 原因
- 対策
本業はオーナーパティシエですが、若い世代に向けて新しいパティシエの働き方【パティシエ4.0】を広めようというサイトです。
パティシエ4.0を目指すには若い世代の意識改革が必要なので、新しい時代のパティシエになるにはどうすればいいかを説明していきます。
パティシエ 残業 時間100時間越は当たり前です
恐ろしい数字ですがパティシエの残業時間は恐ろしく多いです。
1日の仕事の流れで見ていきましょう。
6:00~7:00 出社
11:00頃まで朝出し(ケーキをショウケースに出すこと)
10~15分の朝食休憩
14~15時頃まで仕込み
交代で30~60分の昼休憩
閉店まで仕込み
19~20時閉店作業(仕事がなければここで帰れる)
仕事があると終わるまで
簡単に説明しましたが、通常の閉店までの仕事でも1日12~14時間労働は確定します。
休みが週1~2日で月換算88~156時間の残業です。
恐ろしすぎますね…
ただ閉店時間で帰れる日なんて週に1,2回。
それ以外は21時ごろまで仕事してるのが当たり前になってしまってます。
ここにクリスマスなどの繁忙期が来ると0時越も当たり前になり、12月の残業時間は300時間くらいになっております。
以前 パティシエの離職率 でもお話ししましたが、これじゃなかなか続きませんね。
これがどんだけの数字かというと、労働者災害補償保険法で定められている過労死ラインとは、病気や死亡、自殺に至るリスクが長時間労働に起因するものだと認定する基準のことをいい、「発症前1ヵ月間におおむね100時間」あるいは「発症前2~6ヵ月間にわたっておおむね80時間」を超える時間外労働がある場合は、業務と発症との関係性が強いとされています。
つまりパティシエは常に過労死ラインを超えて仕事をしていることになります。
残業代は出るのか
ここで気になるのが、こんだけ働いたら残業代も出て高所得なんじゃないかと。
残念ながらほとんどの店がサービス残業扱いとなります。
1部の店では出してるとこもあるかもしれませんが、15年間働いててそんな店は聞いたことがありません。
給料に予め残業代も含まれてるケースはありますが、これも元々は低いのでないに等しい金額です。
次は実際の現場ではどんな感じなのかを紹介していきましょう。
パティシエ 残業 時間現場での体感
修行時代に4店舗経験した中での体験談です。
従業員数 | 出勤時間 | 終了時間 | 休み | 残業時間 | |
1 | 6 | 7:00 | 21:00 | 週1 | 6h |
2 | 4 | 6:00 | 23:00 | 週1 | 9h |
3 | 10 | 7:00 | 20:00 | 週1.5 | 5h |
4 | 4 | 7:00 | 22:00 | 週1 | 7h |
店によって大分変わりますが、数字だけ見てもやばい数字ですね。
繁忙期はプラス3~4時間ってところです。
パティシエ 残業 の多い原因
なんでこんなに働いてるのだろうか?
1番の原因は経営者
やっぱりここは外せなく、どうしても経営者も修行時代に時間関係なく修行していたからこそ今があると思うと、若手にも同じことを求めてしまいます。
有名になればなるほど次の働き手はいるので、大事に育てる環境も薄れてしまうのではないかと思います。
最近だとエスコヤマさんとこでも話題になりましたね。
やりがい搾取と騒がれても否定のしようがありません。
これを機に経営者の意識が少しでも変わると良いと思います。
仕事面
これも経営者の責任ですが、お菓子作りをしたことがある人ならわかると思いますが、1つのものを作るのにも時間がかかります。
長時間ダラダラ仕事をしてると思う方もいらっしゃると思いますが、常に時間、温度との勝負なので分刻みで仕事をしています。
仕事中ずっと一語一句間違えないようにタイピングしてるような感覚です。
1つのミスでお菓子がダメになったら仕事時間が1~2時間伸びるなんてのは当たり前なのでミスの許されません。
精神的にもくる仕事です。
パティシエ 残業 時間を減らす対策
労働時間の調整が必要になり、1番目に必要なのは経営者の意識改革です。
自分の時代はそうであったかもしれないが、それを今の若手に求めるのは時代が違いすぎると。
きっちり8時間以内で終わらすか、超えた分の残業代を支払うかの2択しかありません。
8時間以内に終わらすには
8時間以内で仕事を終わらすには、上記で話ましたが作業では時間はもう削れないので、商品の見直しをする必要があります。
商品数を減らすか、ガッちゃんこできる商品を増やすかで数を調整しなくてはなりません。
通常のお菓子屋さんはどんなお客さんでも買ってもらえるように、商品数を多くしています。
品数が多いとそれだけ仕込み数も多くなるので時間が必要となります。
ターゲットを絞ろう
自分がやっていたお店はシュークリーム専門店だったので仕込みはシューとカスタード、焼き菓子数品でしたので5時間もあれば全て仕込めていました。
専門店にする必要はないですが、もっとお客様のターゲットを絞って、出す品数を厳選していけばより効率の良い仕事になると思います。
さらに一般的にケーキは高いかもしれませんが、今の価格のままでは若手に十分に売上が回ることができないと思います。
低価格路線で数を売るのではなく、高価格路線に切り替えて少ない数で売上を上げる対策が必要です。
低価格でやってもコンビニや大手には敵いません。
辞めちゃえ
これは従業員向けですが、辛かったらすぐにでも辞めることをおすすめします。
月に1件ほどですが悩み相談で問い合わせをいただきますが、私は基本的に辞めた方がいいとしか言いません。
結局働くお店なんていくらでもあるし、無理してまでやることでは無いはずです。
トップに止めるのを言いずらいなら置き手紙でもいいし、今では退職業務を代行してくれるサービスもあるのでどんどん活用するのもありだと思います。
【結論】パティシエの残業時間は改善できる
ここまで読んでわかったと思いますがパティシエの残業時間は長すぎです!長すぎます!
経営者としては8時間に収めるのか、超えて残業代を出すのか、どっちしかありません。
若手は自分の体調を第一に、何かあれば先輩に相談して、もみ消されそうなら第三者に話してより良い労働環境にしていきましょう。
未払いの残業代は2年間遡って支払い義務がありますので、経営者も従業員もしっかり考えての行動をお勧めいたします。
悩みがあればこちらから
最後に当店の想い
「大好きなキャラクターのケーキを食べてみたい」
「自分の顔をしたケーキがあったらなあ」
【PATE A CHOUX(パータシュー)】は、そんな夢のようなケーキを実現する、キャラクター・似顔絵ケーキの専門店です。
当店のパティシエは、これまで全国のケーキ屋さんで10年以上修業してまいりました。
その後「息子の誕生日ケーキをオリジナルでつくりたい」との思いから、何年も試行錯誤を繰り返し、当店のケーキをデザインすることに成功。
インパクトのあるチョコレートのイラストは、見て良し・割って良し・食べて良し!「きっと笑顔になれるケーキ」を目指し、3年かけて開発しました。
当店のケーキで、笑顔の輪を広げてもらえたら嬉しいです。